ナラティヴ・スーパービジョン（RC）ミニシリーズ（2024）

ナラティヴ・セラピーでは、クライアントに対してだけでなく、支援を提供する専門職に対しても、その理念や姿勢を一貫して維持しようとしています。スーパービジョンを単なる指導や管理というものではなく、支援者をしっかりと支えようとします。

「スーパーバイザーの役割とは、スーパーバイジーが自分は受け入れられ、尊重され、理解されていると感じるように支援することにある。なぜなら、そのとき初めてスーパーバイジーは安心することができ、自分自身と自分の力を認め、その上で自分を評価し、さらに挑戦することに前向きになれるからである」（Proctor, 1988b）（ショエット＆ホーキンズ『心理援助職のためのスーパービジョン』邦訳60頁）

NPACCでは、北欧ノルウェーのトム・アンデルセンらが提唱したリフレクティング・チームを、カナダ、オタワ大学のデイヴィッド・パレがスーパービジョンに応用したリフレクシヴ・スーパービジョンを参考にしたものを活用しています。ただ、スーパービジョンというと、提供する方も受ける方も敷居が高くなるので、リフレクシヴ・コンバセーション（RC）と呼んでいます。

本ミニシリーズでは、ナラティヴ・スーパービジョンの概要を説明し、デモンストレーションをお見せしたいと思います。その後、認証し、可能性を提示するための練習をして、グループによるRCを実際にしてもらうところまで取り組みます。

カウンセラー（支援者）を支えようとするRCについて興味のある方は是非とも参加してください。

■ 日時（2024年）
　Day 1：3月23日（土曜日）　9：30～16：30
　Day 2：3月24日（日曜日）　9：30～16：30
　Day 3：4月14日（日曜日）　9：30～17：00
■ 開催方法：ZOOMによるオンライン
■ プログラム
　Day 1：ナラティヴ・スーパービジョン（RC）について、RCのデモンストレーション
　Day 2：ラウンド1（認証）とラウンド2（可能性の生成）について、認証と可能性の生成のワーク
　Day 3：グループによるRCのプラクティス
■ 参加費
・3日間すべて参加：　24000円（税込）（講義録画の視聴権付き）
・Day 1とDay 2に参加：　16000円（税込）（講義録画の視聴権付き）
・ナラティヴ・スーパービジョンについての講義録画の視聴：　8000円（税込）

（以下は、以前にRCの講義（*1）を受けたことがある人のみ申し込むことができます）
・Day 2（3月24日）のみ参加：　8000円（税込）
・Day 3（4月14日）のみ参加：　8000円（税込）
*1：RCについては、「ナラティヴ・スーパービジョン」として2022年11月に対面でのワークショップで開催していますし、ナラティヴ・セラピー・ワークショップシリーズとしても実施しています。今回、ナラティヴ・スーパービジョンについての講義は、以前のものよりも工夫してお伝えしたいと思っています。

■ 申込先：https://rc202403.peatix.com
■ 問合せ先：ナラティヴ実践協働研究センター（narrative@npacc.jp）

※「ミニシリーズ」とは、週末の二日間のワークショップでは収まりきれない内容を、3日から4日かけて実施するような一連のワークショップです。今後「ナラティヴ・メディエーション」や「OW&Rチーム」も実施する予定にしています。

【参考図書】

• Hawkins, R & Shohet,  P. (2007). Supervision in the Helping Professions 3rd Edition. Open University Press.
• Paré, D., Audet, C., Bailey, J., Caputo, A., Hatch, K., & Wong-Wylie, G. (2004). Courageous Practice: Tales from Reflexive Supervision. Canadian Journal of Counselling, 38(2), 118–130.
• Proctor, B. (1988b). Supervision: A co-operative exercise in accountability, In M. Marken & M. Payne (Eds), Enabling and ensuring. Leicester: Leicester National Youth Bureau and Council for Education and Training in Youth and Community Work.