「遺伝カウンセリングとナラティヴ・セラピー」へのアンケート結果

「秘密いじめ対策隊」ワークショップへのアンケート結果
2022-03-24
リスニング実践トレーニングコース(平日昼開催コース)(第6期)
2022-03-31
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2022年3月20日(土) 10:00~12:00に開催されました「遺伝カウンセリングとナラティヴ・セラピー」のアンケート結果を掲載いたします。なお、本イベントの概要につきましては、次のリンク(https://npacc.jp/2022/3380/)を参考にしてください。

 イベント参加者に共有し、NPACCのホームページにも掲載していい
1・出生前検査が悪いものではないが、その扱い方や事前事後の相談などの運用の仕方が不適切である実情がわかった。 ・検査を「受ける」「受けさせられる」のどちらにも当てはまらない「中動態的プロセス」なのかもしれない、という言葉が印象に残った。ナラティヴ・セラピーが関わるポイントが明確になった感覚がある。 ・正解のない問題を熟考して意思決定するためには、「その人の人生の専門家はその人自身である」という「人々に敬意を払う姿勢」を生かしたナラティヴ・セラピーが大きな力になると感じた。
2ナラティヴ・セラピーについて専門的な知識を有している訳ではありませんが、遺伝カウンセリング、心理カウンセリングといった各カウンセリングの担当者のみならず、医療者が本日ご提示頂いた基本姿勢を知っておくことは、患者さん、クライエントのみならず、自分自身にとってもたいへん有意義と思いました。
3出生前診断の詳細について、非常にわかりやすく教えていただき、ありがたかったです。診断そのもののもつ、倫理的社会的な課題については、考えさせられました。そんな中、遺伝カウンセリングというものの重要性を非常に感じます。提供する側の難しさ、受け取る側の難しさ、どちらも悩ましいものだと思います。その中で、ナラティヴ・セラピーの姿勢でカウンセリングをしていくことがどれほど助けになるだろう、と思いました。医師でも家族でもない方に、寄り添ってもらって、話を聞いてもらい、自分の価値観、これからの人生、これまでのこと、そんなことを確認していくことが、選択をする時にどれほど大きな支えになるだろうと思います。そして、その支えは、どちらを選択するにしても、その後の人生においても活用できるのかもしれません。私の日常においても、何らかの意思決定を迫られ、どちらをとっても苦しいというような状況にある方とお話しすることは十分に考えられます。その時に、ナラティヴ・アプローチの姿勢で対応することがどのくらいできるのか、分からないけれど、お話ししてくださる人がその人の専門家であることを忘れずに、進んでいきたいと思いました。
4“新里さんが勇気を出して、とても豊かな表現力と洞察力で、自分の経験をシェアしてもらえたことに感謝します。眼を閉じて聴かせてもらっていましたが、目に見えるものも見えないものも、本当にありありと浮かんできました。疑似体験というと少し乱暴かもしれませんが、そのくらい、リアリティーがあって、わたしの想像力を豊かにしてくれました。これがいつかどなたかのお役に立てばと願っています。 新里さんの声、語り口がとても温かくて柔らかくてエレガントでもあって、本当に素敵でした。ひさしぶりに、ゆりかごにでも乗せてもらって包まれるような心地がしました。新里さんがいかに個人としてもプロの職業人としても、しっかり生きてこられたかがよく伝わってきました。 ナラティブセラピーと遺伝カウンセリングの親和性が深く理解できました。わたしもわたしなりに勉強しよう!と思いました。遺伝の分野は複雑で伝わりづらいことが多いにも関わらず、とても大事なことがたくさんつまっていて、それでいて重要な点がわかりやすくまとめられていて感心しました。 セミナーの後ですが、カウンセリングのセッションでも受けたような心地です。 本日のセミナーをもっとたくさんのひとに聴いてほしいと切に願っています。全国の遺伝専門職や保健師さんたちにも聴いてほしいです。
5本日は、ありがとうございました。講師の新里先生の優しい語り口やナラティブセラピーで大切にしている鍵概念を知ることが出来て有意義な時間でした。 私は、現在総合周産期母子医療センターでMSW/PSWとして働いています。NIPTだけでなく、胎児エコーにて異常の見つかる妊産婦さんへの支援も行っていますが。時間がないというのが実感です。妊娠継続するかしないか、法律で決められていることもあり、週数によってはゆっくりと意思決定が難しい場面が多いです。そういった時にご本人と夫と別々に面談していますが、落ち着いた部屋がないのが現状です。診察室で話を聞くことが多いのですが、日本の病院の診察室は外に話が聞こえたりする環境も多いですし、そのほかの相談室も空きがなくて、もっと部屋数を増やすとか、その後のグリーフのための祈りの部屋があるなど、環境整備が必要と感じています。当院は心理士や遺伝カウンセラーもいて多職種で協働してやっていますので、うまく妊娠継続できて、その後も順調に生育されているケースも多いですが、中には生後にうまく子供を愛せない親もいるのも事実です。 出産と育児は分けて考えることも場合によっては必要で、医療的ケア児の増加もある中、社会で障害をもった子供を面倒みていけるシステム作りが問われていると思います。”
6障害による産む産まないの選択はとても難しく、そのカウンセリングに興味があって参加しました。お話を伺い、認定施設でさえも対応が難しい中で、非認定施設で検査が行われていることを初めて知りました。サポートがない状態でどれほどの困難があるのか、カウンセリングの必要性をとても理解できました。また、新里さんがおつらいご経験をされたことをナラティヴ・セラピーで支えてもらっていたら・・・というエッセイにより、ナラティヴ・セラピーの魅力を再確認することができました。私は、ナラティヴ・セラピーができるわけではありませんが、今後、セミナーに参加してできるようになっていきたいと今日改めて思いました。新里さん、本当に大切なことを考える機会を与えていただき、ありがとうございました。
7このような貴重な機会を本当にありがとうございました。まずは遺伝カウンセリングについて理解を深めることができました。そしていのちや人への敬意や尊厳を払うことの大切さと同時に、タイムリミットがあることの厳しさを痛感しました。時間が少ないところで懸命に取り組もうとされていることを伺い、出生前診断や遺伝カウンセリングという場面の前後で、医療外の相談先として協働できること、連携していく可能性についても考えました。最後に、納得がいく人生をそれぞれが歩むために、ナラティヴ・セラピーが与えてくれる姿勢について、改めて感じ入りました。感謝しております。
8新里さん、 今日は貴重なお話を有難うございました。 倫理的、世論的に意見が分かれやすい物事に直面し、直ぐの決断を促される立場に立つ方々への支援を職業として行うにあたり、普段から自身の価値観を高めておくことが大切なのではないかと思いました。 即ち、より多くの情報や事例に積極的に接し、受け止めて自分の感じた事を振り返る。それを繰り返す事で、相談者の価値観に踏み込み、尊重し「人々に敬意を払う姿勢」を活かしたカウンセリングができるのではないかと言う事です。 遺伝子は直接目に見えませんが、人の将来への影響力が非常に大きい存在だと思います。技術の進化に伴い、遺伝子の解析も今後進化すると思いますが、倫理観も含めて自身の感度を上げていきたいと思っております。 これからも宜しくお願いいたします。”
9新里様へ 経験からの言葉のひとつひとつが、染み入りました。新里さんのお話をうかがい、ナラティヴ・セラピーは、生きることを支えることを再確認しました。 双子のお子様を亡くされた当時は、ナラティヴ・セラピーはご存じなかったのですが、何が、新里さんを保たさせたのか? 最もお辛いのはご自身なのに、ご主人様を気遣う。何がそうさせたのか? もっとお話をお聴きしたいです。 貴重な経験のお話をありがとうございました。 <感想> 医学と科学の発達と共に、これまでは知る由もなかった情報を、今後は「知る(得る)」「知らない(得ない)」の選択をしなくてはならない場面が増えてくるのだと考えさせられました。アンジェリーナ・ジョリーさんのニュースは衝撃的ではあったものの、芸能人のすすることぐらいにしか捉えていなかったが、実は、もっと身近に迫っていることだと認識しました。 出生前検査の情報提供が広まることにより、受けるか否かの選択時から、苦悩するお母さんが増加し、それを支えるのは、母子保健や医療従事者はもちろんのこと、家族の存在が大きいと思います。私にも娘がおりますが、娘から相談されたら、私はどのように答え・応えるのか?答えがでないです このような意味からも、遺伝カウンセリングの学問や知識は、専門家のみならず、広くし社会に浸透していく必要があると思いました。
10新里さん、貴重なお話し・エッセイをありがとうございました。 ご自身ご家族の大きく深い体験、心に響きました。ナラティヴセラピー、突然の意思決定を迫られる場面、生と死、女性にとっての出産、など色々と考えました。 出生前検査について、知らないことがほとんどで、勉強になりました。特に、「意思決定は中動態的なプロセス?」、「個々の方々が、何を大切に思い何を達成しようとしているのかを、大切にする」が、学びでした。 NIPTの遺伝カウンセリングの中で、「多様性と先天性疾患」についての説明と受け取りが特に難しいのでは感じました。「検査結果が陽性の場合は、心の準備をし最良の治療をしながら出産するのがベスト」という価値観がそこには入るように感じます。自分の価値観を横に置いて話を聞くことが、私にとっての課題と感じました。
11以前にWSのブレイクアウトルームで新里さんとお話をさせていただく機会があり、遺伝カウンセリングという言葉を聞きました。私自身も子どもが生後すぐ先天性疾患が見つかって緊急手術となった時に、何よりもまず話を聞いてもらえる人がいればという思いがあったので、何かできることがあればという思いで今日は参加しました。命が係わる場面で切羽詰まった状況に置かれた時、何か大きな決断をしなければならない時、カウンセリングが必要な人に届けることができるようにするにはどうしたらいいのだろうという思いが、今日の話を聞いてより強くなりました。遺伝カウンセリングがどういうものなのか、少しは理解もできたので、これからも一緒に考えられる場があればぜひ参加していきたいと思います。
12遺伝カウンセリングにまつわる状況についてのみならず、その中心におかれる妊婦やカップルが、どのような体験をしているのかを新里さんのプレゼンテーションから知ることができました。また周りの声や、社会にある流れが、どんなことを当事者にもたらしうるのかは想像の範囲でも強いものですが、同時に、命の決断をすることの重さや、どのような判断をするにしても、その判断したことからの影響も含めて、当事者の人生に長きにわたり苛みをもたらしうるものだと想像しました。 そして、そのような状況に意識的に、または思いがけず立つことになってしまう人たちが、周りのことを気にせずに安全に自分たちの思いを言葉にできることの貴重さと、そこからの選択をしていると思えることにより支えられるものについて、思いが至りました。 今後、このような方々との接点があるかどうかは定かではないのですが、そのような状況にある方、また場面は違えども思いが語りになる前で立ち止まざるをえない方たちの声を大切に聞いていきたいと思いました。
13新里さんご自身のご体験と、そこから来るカウンセリング支援の必要性のお話、とても説得力がありました。そうした支援が仕組みの中に整備されていくといいですね。その時、支援者の価値を押しつけるものではないようにする必要がありますね。検査をめぐる意思決定のプロセスが中動態的なものであるという視点も興味深かったです。重要なことを選ぶことの意味をどう考えるか、選んでいるつもりが選ばされている、選ばれていることもあるのかもしれない、などと思いました。なお、3疾患が遺伝子疾患の四分の一とのことですが、検索した情報では7割とありました。気になったので記させていただきます。
14医学の発達で、以前は私たちが選択することなど出来なかったことも、今は選択が可能となり、そのために難しく苦しい側面が出てくるのだということを考えました。選べない中での選択。さまざまな気持ちの交錯。ナラティヴの考えが、支えになる可能性を考えることができました。
15これまでは、「心理士会のメーリングリストを介して遺伝カウンセリングというフィールドがあるようだ」という程度の認識と、「30年前に自身の妊娠を通して羊水検査を受けたけれど、あまり深く考えずに受けたことだけがぼんやりと記憶に残っている」という浅い経験から、「とりあえず、それが何かを知ろう」ということが、今回の参加の背中を押してくれました。  上述したように、30年前に検査を受けましたが、自分はたまたま陰性で、産むか産まないかという意思決定を迫られる場面はありませんでした。たまたまという表現が適切ではないと思いますが、誰も陽性を望んで受けるはずもなく、自分だってその可能性がゼロではないから検査を受けたのだと思います。何が言いたいかというと、もしあの時に「陽性」という結果が出ていたら、「当然産む」「これからの赤ちゃんがいる家族生活」という当たり前に描いているところから、突然、「産むか産まないか」「障害を抱えている子どもと生活することに腹を括れますか」という選択を短期間で決定するというまったく予想しなかったところに立たされ、そして、それがどれほどの苦痛であるかに少しだけ思いを馳せるに至りました。そう考えると、検査前のカウンセリングが重要であることが腑に落ちました。意思決定は依然として難しいことであることには変わりはないかもしれないけれど、検査の前にパートナーと、価値観やライフプランを考えることは助けになると思いました。 また、新里さんのショートエッセイも共有してくださって、ありがとうございました。今回、新里さんのお話を伺って、「知らない」というところから、「ほんの少―しだけ知った」というところに移動させてもらい、考えるきっかけをいただきました。ありがとうございました。”
16過去に「妊娠すると子どもに遺伝の恐れがある」と医師から告げられたことで娘夫婦が離婚するに至ったという経験があり、その時のことを思い出しながら参加していました。 もし、遺伝カウンセリングがこんなにしっかりとした理念のもと個人個人の意思決定が何より尊重されるものであることが分かっていたなら、私の身近な人たちは数年前のあのとき、全く別の選択をしていたかもしれないな、と思いました。 また、新里さんのご自身の経験や関わった(双子ちゃんたちも含めて)人たちを大切にしながら目の前の仕事に真摯に向き合おうとされている姿はナラティヴそのものだ、と感じました。
17短い時間の中で、遺伝カウンセリングについてわかりやすくお伝えいただき、ありがとうございました。また、大切なご体験のシェアにも感謝です。 命に関わる大きな、大切な選択を行うことは、その瞬間はベストを尽くした最善のもの、と思えても、後から後悔を伴うことが多いと思います。そこに関わることの困難さと、同時にナラティブセラピーのスタンスやマインドから関わっていただけることの大切さを実感しました。 私は元臨床検査技師として大学病院の検査室に勤めていました。現在はプロフェッショナルコーチとして活動し、現役医師や理学療法士、ケアマネージャーと協働して、医療とケアについてのエンディングノート(『私の生き方連絡ノート』)を知っていただき、記入していただくサポートのためのワークショップを定期的に開催するプロジェクトに携わっています。これも、もしもの時の選択に、ご本人やご家族の後悔が少しでも少ないことを願ってのことです。父を看取った時の後悔の体験から、このプロジェクトに導かれました。 遺伝カウンセリングについては素人ですが、人がご自分の価値観や、どう生きたいかをたな卸しすることについてはお手伝いできると思います。何かお役に立てれば嬉しいです。
18児童と家庭に関わる援助職をしているので、同様の苦しみをもつお母さんに出会うことが、これから増えると考えます。出会ったら、今日伺ったこと、苦しみ、心理、その背景など、思い起こしながらお聴きしたいと思います。
19貴重なお話をありがとうございました。遺伝カウンセリングについて教えて頂ける機会はこれまでなかったため、大変勉強になりました。 私は総合病院で働いており、その中に周産期のかかわりもあります。喪失体験からいろいろな思いが出てきたり、次のお子さん(妊娠)のことを心配したり葛藤したりと、さまざまな気持ちを伺わせて頂いています。そこに流れるそれぞれのストーリーを今後も聴き続けていきたいと思いました。 また、遺伝カウンセリングのことを学び、その前後の心理支援をどのように充実させるか、ときに連携できるか考えていきたいと思いました。
20新里さんありがとうございました。「生きる」こと、そのものの話しを聞いた気がしています。「子供は元気に生まれてくるものだ。その成長にかかわることは人間としての喜びである」といったことは、とてもあたたかい日差しのような、未来への希望の源泉であるという重要なメッセージとともに、ときにそうではないとき、人をおとしめ尊厳をないがしろにするディスコースというかドミナントなメッセージにもなりうるということを考えさせられました。また同時に、そのことから、今、生きていること自体が、その貴重さというか、不思議とも思える出来事にも想え、そこかしこに抵抗して生き延びられているキラメキのような大切な瞬間が多くあるのだろうということを感じました。
21人権の問題、ジェンダーの問題、差別の問題を長年考えてきた私は、遺伝カウンセリングについても気になる問題であった。この度、学び始めたナラティブ・セラピーとの関連での話を聴くことができ、ありがたい時間であった。 何がありがたかったかというと、まず遺伝カウンセリングをとりまく現状がわかったことと、そして新里さんの貴重な生の声を伺うことができたことだ。私は2児を授かったが、その間に一人流産している。その時のつらさは言葉にはできない。一度胎内で一つになっていた子を失う喪失感は、今こうして書きながらも涙が出る程だ。ましてや、産む産まないを自分が判断しないといけないとは、どれだけの苦悩であろう。 また、この出生前検査の問題にも、女性が身体的苦痛だけでなく、産む決断をした後の生活の変化を担うことになるジェンダーの問題や、その判断には障害者差別の問題が関わってくるだろうことをあらためて理解することができたこともありがたかった。 グループシェアの時間には、もし障害者差別意識を持ったクライエントを担当したら、私はカウンセラーとして受容できるだろうかという疑問が沸き愕然とした。そのような自分の内面にも向き合う機会となった。 全体シェアの時は、リプロダクティブ・ヘルス・アンド・ライツについてのコメントがあり、産む産まないが問題になる社会の問題にも気づかせていただけた。 気づきの多い貴重な時間であった。素晴らしい企画をしていただいたNpaccの皆様にも感謝を申し上げたい。
22今日は貴重な時間をありがとうございました。エッセイを拝聴し胸が熱くなりました。 私は高齢出産を経験し、出生前検査は受けようかどうしようか、望まない結果がでたら産まない選択をするかもということが前提にしている自分への批判も自分の中にあったかもしれません。当時の検査結果では確率しかわからないと言うこともあり結局受けませんでしたが、認定機関外で心の準備も何もなく受けてしまい、その後のフォローが何もなく本人やカップルが引き受けなければいけないというのはあまりにも冷たくて重いもののような気がしてしまいました。指針が変わるとのことですので、すこしでも安心して話ができるような場としてナラティヴ•セラピーが用いられることを願っています。
23“フェミニズムでの「産む産まないは女性の権利」という言葉に、どこかで納得感が得られない気持ちがあり参加しました。多くの人が出生前診断を受けようとすることの背景には、今の日本社会が抱えている問題を感じています。障害を持って生まれてきたとしても、その子ども自身と両親等その子に関わる周りの人たちが、生きていくことに困難さがない社会であれば、出生前診断を受けようと思わないのではないかと考えています。本当に今日の場を与えて下さってありがとうございました。気になるテーマであるにもかかわらずじっくりと向き合うことなく過ごしていましたが、今日の講義と参加者の皆さんと対話の時間も持つことができ、このテーマに向き合うことができました。 私は、遺伝子カウンセリングの相談にのることはありませんが、相談に関わると考えた時、クライアントを受け止めることができるのだろうかと考えながらお話を伺っていましたが、今回の講座を受講したことで、一歩クライアントの方に歩み寄る気持ちが生まれてきました。そして、改めて「人の行動は、[この人は、この人が大切に思うなにかを達成するためにその行動をとっている』」というナラティヴ・セラピーの考え方をしっかりと私の相談の土台にしなければならないと考えています。”
24遺伝カウンセラーの立場から今回のイベントに参加させていただきました。第一に、今回、新里さんのお話を伺う機会がいただけたことに感謝いたします。ナラティブ・セラピーについては、これまで大枠のところでしか理解していないのですが、「人々に敬意を払う姿勢」やクライエントさんの語りを重要視している点などは、いわゆる遺伝カウンセリングマインドに通ずる点も多く、ナラティブ・セラピーの考え方が遺伝カウンセリングにも有用であるというのは、全くそのとおりだと思います。ぜひ今後、遺伝カウンセラー向けにもお話を聞かせていただける機会があるとありがたく思います。