2021年度からのNPACC実践トレーニングコースについて

ナラティヴ・メディエーションの概要
2020-10-02

 クラウドファンディングによる皆さんの応援を経て、2019年春にNPACCを設立しました。その活動の大きな軸の一つとして「ナラティヴ実践トレーニングコース」を提供してきました。これは、2年間、インテンシブかつ継続的にナラティヴ・セラピーを学ぶためのコースです。今まで、2019年度と2020年度にそれぞれ受講生を募集しました。

 昨年に倣えば、そろそろ2021年度からの受講生を募集する時期なのですが、NPACCではこのタイミングで今一度、実践トレーニングコースの位置づけや在り方について改めて検討を行いました。そして、この実践トレーニングコースは、隔年で実施していくことを決定しました。つまり、直近で言えば、2021年度は受講生を募集せず、2022年度に募集するということです。このような方針となった背景を説明いたします。

 大きな要因の一つとして、1年半の時を経て、NPACCの取り組みの幅が広がってきたことがあります。自分の逐語録の分析を少人数で行う「リスニング実践コース」や平日火曜の夜に行っている、社会構成主義的なカウンセリングのベースに取り組む「オンライントレーニングコース」、また各種のワークショップも提供し始めました。今後は、例えば海外のナラティヴ・セラピストを講師としたオンラインのワークショップも意欲的に行っていきたいと考えています。また、NPACCの取り組みのもう一つの大切な軸であるカウンセリング事業についても、少しずつ申し込みが増えてきました。このように取り組みの幅が増えていく中でも、「実践トレーニングコース」が、NPACCとしてしっかり力を入れて取り組んでいきたい、取り組みの柱の一つという位置づけは変わっていません。だからこそ、実践トレーニングコースに対して、その開催と運営にしっかりと力を入れて取り組んでいきたいと考えたときに、常に2本のコースを走らせるのではなく、隔年募集という形にすることが必要だろうと考えました。

 また、実践トレーニングコース以外での学びの機会をしっかりと提供することが、むしろ実践トレーニングコースをより良いものにしていくことにつながると考えています。NPACCで行っているワークショップや研修機会の多くは、これまでナラティヴを学んできた人も、これから学び始める人も、誰にでも受けてもらえるようなオープンな形で行ってきました。実践トレーニングコースをスタートする前に、それなりにナラティヴ・セラピーのことを学ぶことができ、2年間コミットする価値のあるものかどうかを見極めてから申し込めることも大切なことだと考えています。そして、実践トレーニングコースにおいては、それまでに地道にナラティヴの学びを推し進めてきた人が、一人では到達しがたいところまで、仲間と一緒に四苦八苦しながら模索していく機会となってほしいと思っています。

 そう考えた時、「実践トレーニングコース」を今後も継続的に実施していくためにも、広く裾野を広げていく取り組みが、まわりまわって重要になると考えました。NPACCの持つリソースの配分の仕方として、実践トレーニングコースを隔年開催にする代わりに、これからナラティヴを学ぶ人や、実践トレーニングコースのような形は難しいがナラティヴにしっかりと取り組んでいきたい人のための、ワークショップやほかのコースをしっかり整備していきたいと思います。それが、隔年募集にしようと決めたもう一つの理由になります。

 NPACCに興味を持ってくださっていたり、応援してくださっている方の中には、来年度からのトレーニングコースの受講を考えたり、準備してくださっていた方もいるかもしれません。そう考え、この方針を決めるのも心苦しいところがありました。それでも「実践トレーニングコース」はNPACCの提供するトレーニング事業の中でも、非常に重要な位置づけを持つものとして、関わる人にとって充実した2年間を提供したいという所で、このような方針を決めたこと、ご理解いただければ幸いです。