ナラティヴ実践協働研究センターのオンライン講座
「カウンセリング・トレーニングコース」平日夜コース(2024~25)
社会構成主義時代のナラティヴ・アプローチをベースとしたカウンセリングを学ぶ
概 要
ナラティヴ実践協働研究センターでは、カナダ・オタワ大学教授デイヴィッド・パレ著『協働するカウンセリングと心理療法』を教科書として採用し、社会構成主義時代のナラティヴ・アプローチをベースとしたカウンセリングを学ぶための本格的なコースを2020年から提供しはじめました。
この講座は、時代と共に発展してきた新しいカウンセリングの理論と技術を、わかりやすいテキストに沿って学んでいくものです。傾聴や共感という受動的な技法だけでなく、質問を交え、相手との対話を通じて、新しい意味づけやストーリーが生まれる可能性を探っていくカウンセリングについて学んでいきます。
2020~22年のコースは、本教科書の翻訳が出版前でしたので下訳を使いながら、平日夜に3年間かけて実施しました(この時のプログラムの詳細はこちらから確認ください)。翻訳書が出版されてからは、プログラムを見直して、休日昼に2023年から2年間をかけて実施しています(この時のプログラムの詳細はこちらから確認ください)。
今回のプログラムは、2023~24年で実施したプログラムを収録したビデオ教材を用いながら、平日夜に「カウンセリング・トレーニングコース」を提供いたします。なお2025年からは、平日昼(どの曜日かは未定)にプログラムを提供する予定にしています。
さまざまな地域からも参加してもらえるように、パソコンやタブレット、スマホからでもアクセスできるZOOMというアプリを使用します(アプリ自体は無料です)。つまり、受講者が端末とインターネット環境を用意すれば、どこからでも受講できます。
この講座は、理論だけでなくより実践的な技術も学ぶことができます。このコースは、単に講義を聴くというだけでなく、オンライン上で、小グループに分かれて、いろいろとディスカッションしながらすすめていきます。
コースの特徴
- 最新のカウンセリングの教科書を採用しました! (カナダ・オタワ大学教授デイヴィッド・パレ著『協働するカウンセリングと心理療法』)
- 傾聴や共感だけに留まらない、カウンセリングにおける会話ついて学ぶ機会です。
- カウンセリング関係の資格を有している人は、その実践をより豊かなものにつながります。
- 資格のない人もカウンセリングに興味、関心がある人であれば、誰でも参加できます。
- このコースで、カウンセリング関係の資格を取得することはできません。真にカウンセリング実践の向上に取り組みたい人向けのコースとなっています。
- パソコン、タブレット、スマホで参加できるオンライン講座です(ZOOMというアプリを使用します)。
- 事前に講義の録画ビデオを視聴してから、オンラインで集まり、ディスカッションやワークをするプログラムです。
- 平日夜(夜7時半~9時半)で実施いたします。
録画ビデオを活用するプログラム
2023~24年で実施しているプログラムは、ビデオ教材を活用するものではなく、その場で講義を聴き、ディスカッションやワークをするものでした。2024~25年のプログラムは、ビデオ教材を活用します。ワークショップまでに該当する箇所のビデオを視聴していただき、その内容についてディスカッションやワークをしていきます。
休日昼に1日かけてした内容を、平日夜に2回に分けて実施します。モジュール1は12回(2024年に実施)、モジュール2は12回(2024~25年に実施)、モジュール3は16回(2025年に実施)となります。日程は、下記の「プログラム構成」をごらんください。
コースの概要について説明したものをYouTubeで見ることができます。
対話の真価を発揮させることを
目指すカウンセリングについて
ナラティヴ実践協働研究センター(NPACC)では、ナラティヴ・セラピーをベースとしてカウンセリングやセラピーを提供しています。そのナラティヴ・セラピーを包括しつつ、今まで培われたカウンセリングの技法と組み合わせたアプローチを、コラボレイティヴ・カウンセリングと呼びます。
本講座では、カナダのオタワ大学教授の「協働するカウンセリングと心理療法(The Practice of Collaborative Counseling and Psychotherapy: Developing Skills In Culturally Mindful Helping)」という心理療法のテキストブックを利用します。ナラティヴ・セラピーや調停、そしてグリーフ・セラピーで有名なジョン・ウィンズレイドが本書を絶賛しています。
カウンセリングにおいては、傾聴や共感のような概念に象徴されるように、比較的受動的なものとして理解されてきました。その逆では、教育やコーチング、ガイダンスのように、相手に何か積極的に伝える、あるいは介入するというものがあります。このどちらも、一方方向のこととして理解されがちになってしまいます。
近年、対話そのものについて目が向けられるようになってきました。それは、対話を、新しい意味合いや価値を見いだし、新しいストーリーが生じる場として理解するということです。つまりそれは、単に情報のやりとりだけをするものという見方ではなく、協働的に新しいことを作り上げるということなのです。
それは、決まり切った手順に従って、順序よくすすめるようなものではありません。相手と向き合い、その場に提示された題材を二人で、さまざまな角度から眺め、ああでもないこうでもない、ここから見たらどう見えるのだろうか、と一緒に考えていくようなプロセスとなるでしょう。
決まり切った手順を学ぶことは、することが明確であるために、学びやすいかのように見えます。しかし、実際の相談業務は、そのような手順だけで乗り切ることはできません。この業務は、本質的に常に即興性が求められます。学習を簡単にするという理由だけで、この要素を切り落とすべきではないのです。そうではなく、学習の場でこそ、決まり切った手順ではないやり方で、対話をすすめることについて、取り組むことができると言えるでしょう。なぜなら学習の場は、試行錯誤し失敗しながら、少しずつ身につけていくことを前提としているからです。
テキストブック(教科書)
デイヴィッド・パレ著 「協働するカウンセリングと心理療法――文化とナラティヴをめぐる臨床実践テキスト」 2021 新曜社
テキストの目次
第Ⅰ部 実践のための準備
第1章 文化・カウンセリング・ケア
第2章 治療的会話
第Ⅱ部 協働に向けての基礎づくり
第3章 受け止めと傾聴
第4章 関係を築く
第Ⅲ部 クライエントの経験をマッピングする
第5章 意味の受けとりと読みとり
第6章 意味に応答し、意味を確認する
第Ⅳ部 課題・望み・機会をアセスメントする
第7章 問題と望みを定義して描き出す
第8章 アセスメントⅠ――課題と能力を評価する――
第9章 アセスメントⅡ――より広い文脈に注目する――
第Ⅴ部 変化を促進する
第10章 協働に基づく影響
――望む結果に向けた達成可能な目標へ――
第11章 クライエントの行動に取り組む
第12章 思考と信念に取り組む
第13章 感情と価値観に取り組む
第14章 ストーリーに取り組む
第15章 終結、そして始まり
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プログラム構成
2024年 モジュール1 夜7時半~9時半
回数 | 日程 | 内容 |
1 | 2024年1月17日(水) | イントロダクション「カウンセリングとは」 ① |
2 | 1月31日(水) | イントロダクション「カウンセリングとは」 ② |
3 | 2月14日(水) | 第1章 文化・カウンセリング・ケア ① |
4 | 2月28日(水) | 第1章 文化・カウンセリング・ケア ② |
5 | 3月13日(水) | 第2章 治療的会話 ① |
6 | 3月27日(水) | 第2章 治療的会話 ② |
7 | 4月10日(水) | 第3章 受け止めと傾聴 ① |
8 | 4月24日(水) | 第3章 受け止めと傾聴 ② |
9 | 5月8日(水) | 第4章 関係を築く ① |
10 | 5月22日(水) | 第4章 関係を築く ② |
11 | 6月5日(水) | 振り返りと演習 ① |
12 | 6月19日(水) | 振り返りと演習 ② |
2024年 モジュール2 夜7時半~9時半
回数 | 日程 | 内容 |
1 | 2024年8月28日(水) | 第5章 意味の受けとりと読みとり ① |
2 | 9月11日(水) | 第5章 意味の受けとりと読みとり ② |
3 | 9月25日(水) | 第6章 意味に応答し、意味を確認する ① |
4 | 10月9日(水) | 第6章 意味に応答し、意味を確認する ② |
5 | 10月23日(水) | 第7章 問題と望みを定義して描き出す ① |
6 | 11月6日(水) | 第7章 問題と望みを定義して描き出す ② |
7 | 11月20日(水) | 第8章 アセスメントⅠ ① |
8 | 12月4日(水) | 第8章 アセスメントⅠ ② |
9 | 12月18日(水) | 第9章 アセスメントⅡ ① |
10 | 2025年1月15日(水) | 第9章 アセスメントⅡ ② |
11 | 1月29日(水) | 振り返りと演習 ① |
12 | 2月12日(水) | 振り返りと演習 ② |
2025年 モジュール3 夜7時半~9時半
回数 | 日程 | 内容 |
1 | 2025年5月14日(水) | 第10章 協働に基づく影響 ① |
2 | 5月28日(水) | 第10章 協働に基づく影響 ② |
3 | 6月11日(水) | 第11章 クライエントの行動に取り組む ① |
4 | 6月25日(水) | 第11章 クライエントの行動に取り組む ② |
5 | 7月9日(水) | 第12章 思考と信念に取り組む ① |
6 | 7月23日(水) | 第12章 思考と信念に取り組む ② |
7 | 9月3日(水) | 第13章 感情と価値観に取り組む ① |
8 | 9月17日(水) | 第13章 感情と価値観に取り組む ② |
9 | 10月1日(水) | 第14章 ストーリーに取り組む ① |
10 | 10月15日(水) | 第14章 ストーリーに取り組む ② |
11 | 10月29日(水) | 第15章 終結、そして始まり ① |
12 | 11月12日(水) | 第15章 終結、そして始まり ② |
13 | 11月26日(水) | 振り返りと演習 ① |
14 | 12月10日(水) | 振り返りと演習 ② |
15 | 2026年1月14日(水) | 総合演習 ① |
16 | 1月28日(水) | 総合演習 ② |
講座について
対象: 心理療法、カウンセリング、セラピーに興味がある人(受講にあたって資格は問いません)
コース: 全3モジュール、すべてのモジュールを受講し、修了エッセイを提出することによって、修了証を授与。
必要機材: インターネット環境、パソコン、タブレットまたはスマホ、パソコン用のカメラとマイク(最近のノートパソコンには付属しています)、ZOOMアプリ(無料)
テキスト: デイヴィッド・パレ著 「協働するカウンセリングと心理療法――文化とナラティヴをめぐる臨床実践テキスト」(2021 新曜社)を各自購入してください。購入先:(アマゾン)https://amzn.to/3HAkA4t
時間: 水曜日の夜7時半~9時半の2時間
費用: モジュール1: 48,000円(消費税を含む)
モジュール2: 48,000円(消費税を含む)
モジュール3: 64,000円(消費税を含む)
募集人数: 30名程度
申込先: https://octc2024m1.peatix.com
主たる講師&ファシリテーター
☆ 白坂葉子(臨床心理士)
☆ 松本寛子(臨床心理士&公認心理師)
☆ 横山克貴(臨床心理士&公認心理師)
☆ 国重浩一(臨床心理士&ニュージーランド・カウンセラー協会員)
ポリシー
申し込んだモジュールの開始の二日前までであれば、全額返却します。ただし返金に際して、Peatixシステムの規定に準拠した手数料がかかる場合があります。
教材の録画を見ることだけで、受講したとみなすことはできません。ディスカッションやワークに参加する必要があります。
NPACC側の機材などの不備によって、講座を開催することができなかった場合には、その講座を補講する回を設けます。
修了証は、全モジュールを修了し、エッセイを提出してから発行いたします。
問合せ先
ナラティヴ実践協働研究センター
narrative@npacc.jp
https://npacc.jp/
https://www.facebook.com/npacc.jp/