ナラティヴ実践協働研究センターのオンライン講座
「カウンセリング・トレーニングコース」2023~2024年コース
社会構成主義時代のナラティヴ・アプローチをベースとしたカウンセリングを学ぶ
コースの特徴
- 最新のカウンセリングの教科書を採用しました!
(カナダ・オタワ大学教授デイヴィッド・パレ著 『協働するカウンセリングと心理療法』) - 傾聴や共感だけに留まらない、カウンセリングにおける会話ついて学ぶ機会です。
- カウンセリング関係の資格を有している人は、その実践をより豊かなものできます。
- 資格のない人もカウンセリングに興味、関心がある人であれば、誰でも参加できます。
- このコースで、カウンセリング関係の資格を取得することはできません。真にカウンセリング実践の向上に取り組みたい人向けのコースとなっています。
- パソコン、タブレット、スマホで参加できるオンライン講座です(ZOOMというアプリを使用します)。
- コースは2年間、3モジュール(120時間)で構成されています。
- 2023年からのコースは、将来的に録画したコースを提供するための収録を兼ねています。受講したコースの録画は、期間限定となりますが、視聴することも可能です。
概 要
時代と共に発展してきた新しいカウンセリングの理論と技術を、わかりやすいテキストに沿って学んでいく講座です。傾聴や共感という受動的な技法だけでなく、質問を交え、相手との対話を通じて、新しい意味づけやストーリーが生まれる可能性を探っていくカウンセリングについて学んでいきます。
さまざまな地域からも参加してもらえるように、パソコンやタブレット、スマホからでもアクセスできるZOOMというアプリを使用します(アプリ自体は無料です)。つまり、受講者が端末とインターネット環境を用意すれば、どこからでも受講できます。
この講座は、理論だけでなくより実践的な技術も学ぶことができます。このコースは、単に講義を聴くというだけでなく、オンライン上で、小グループに分かれて、いろいろとディスカッションしながらすすめていきます。
対話の真価を発揮させることを
目指すカウンセリングについて
ナラティヴ実践協働研究センター(NPACC)では、ナラティヴ・セラピーをベースとしてカウンセリングやセラピーを提供しています。そのナラティヴ・セラピーを包括しつつ、今まで培われたカウンセリングの技法と組み合わせたアプローチを、コラボレイティヴ・カウンセリングと呼びます。
本講座では、カナダのオタワ大学教授の「協働するカウンセリングと心理療法(The Practice of Collaborative Counseling and Psychotherapy: Developing Skills In Culturally Mindful Helping)」という心理療法のテキストブックを利用します。ナラティヴ・セラピーや調停、そしてグリーフ・セラピーで有名なジョン・ウィンズレイドが、本書を絶賛しています。
カウンセリングにおいては、傾聴や共感のような概念に象徴されるように、比較的受動的なものとして理解されてきました。その逆では、教育やコーチング、ガイダンスのように、相手に何か積極的に伝える、あるいは介入するというものがあります。このどちらも、一方方向のこととして理解されがちになってしまいます。
近年、対話そのものについて目が向けられるようになってきました。それは、対話を、新しい意味合いや価値を見いだし、新しいストーリーが生じる場として理解するということです。つまりそれは、単に情報のやりとりだけをするものという見方ではなく、協働的に新しいことを作り上げるということなのです。
それは、決まり切った手順に従って、順序よくすすめるようなものではありません。相手と向き合い、その場に提示された題材を二人で、さまざまな角度から眺め、ああでもないこうでもない、ここから見たらどう見えるのだろうか、と一緒に考えていくようなプロセスとなるでしょう。
決まり切った手順を学ぶことは、することが明確であるために、学びやすいかのように見えます。しかし、実際の相談業務は、そのような手順だけで乗り切ることはできません。この業務は、本質的に常に即興性が求められます。学習を簡単にするという理由だけで、この要素を切り落とすべきではないのです。そうではなく、学習の場でこそ、決まり切った手順ではないやり方で、対話をすすめることについて、取り組むことができると言えるでしょう。なぜなら学習の場は、試行錯誤し失敗しながら、少しずつ身につけていくことを前提としているからです。
テキストブック
デイヴィッド・パレ著 「協働するカウンセリングと心理療法――文化とナラティヴをめぐる臨床実践テキスト」 2021 新曜社
テキストの目次
第Ⅰ部 実践のための準備
第1章 文化・カウンセリング・ケア
第2章 治療的会話
第Ⅱ部 協働に向けての基礎づくり
第3章 受け止めと傾聴
第4章 関係を築く
第Ⅲ部 クライエントの経験をマッピングする
第5章 意味の受けとりと読みとり
第6章 意味に応答し、意味を確認する
第Ⅳ部 課題・望み・機会をアセスメントする
第7章 問題と望みを定義して描き出す
第8章 アセスメントⅠ――課題と能力を評価する――
第9章 アセスメントⅡ――より広い文脈に注目する――
第Ⅴ部 変化を促進する
第10章 協働に基づく影響
――望む結果に向けた達成可能な目標へ――
第11章 クライエントの行動に取り組む
第12章 思考と信念に取り組む
第13章 感情と価値観に取り組む
第14章 ストーリーに取り組む
第15章 終結、そして始まり
プログラム構成
2023年 モジュール1
回数 | 日程 | 内容 |
1 | 2月18日(土) | イントロダクション「カウンセリングとは」 |
2 | 3月4日(土) | 第1章 文化・カウンセリング・ケア |
3 | 3月18日(土) | 第2章 治療的会話 |
4 | 4月1日(土) | 第3章 受け止めと傾聴 |
5 | 4月15日(土) | 第4章 関係を築く |
6 | 5月13日(土) | 振り返りと演習 |
2023年 モジュール2
回数 | 日程 | 内容 |
1 | 8月26日(土) | 第5章 意味の受けとりと読みとり |
2 | 9月9日(土) | 第6章 意味に応答し、意味を確認する |
3 | 9月23日(土) | 第7章 問題と望みを定義して描き出す |
4 | 10月7日(土) | 第8章 アセスメントⅠ |
5 | 10月21日(土) | 第9章 アセスメントⅡ |
6 | 11月4日(土) | 振り返りと演習 |
2024年 モジュール3
回数 | 日程 | 内容 |
1 | 2月3日(土) | 第10章 協働に基づく影響 |
2 | 2月17日(土) | 第11章 クライエントの行動に取り組む |
3 | 3月2日(土) | 第12章 思考と信念に取り組む |
4 | 3月16日(土) | 第13章 感情と価値観に取り組む |
5 | 3月30日(土) | 第14章 ストーリーに取り組む |
6 | 4月13日(土) | 第15章 終結、そして始まり |
7 | 5月18日(土) | 振り返りと演習 |
8 | 6月1日(土) | 総合演習 |
講座について
対象: 心理療法、カウンセリング、セラピーに興味がある人(受講にあたって、資格は問いません)
コース: 全3モジュール、すべてのモジュールを受講し、修了エッセイを提出することによって、修了証を授与。
必要機材: インターネット環境、パソコン、タブレットまたはスマホ、パソコン用のカメラとマイク(最近のノートパソコンには付属しています)、ZOOMアプリ(無料)
テキスト: デイヴィッド・パレ著 「協働するカウンセリングと心理療法――文化とナラティヴをめぐる臨床実践テキスト」 2021 新曜社を各自購入してください。購入先:(アマゾン)https://amzn.to/3HAkA4t
開講日: 土曜日の9時半~16時半の6時間(+休憩時間)
詳細な日程は「プログラム構成」を参照ください。
費用: モジュール1: 48,000円(消費税を含む)
モジュール2: 48,000円(消費税を含む)
モジュール3: 64,000円(消費税を含む)
募集人数: 40名程度
申込先: https://octc2023m1.peatix.com
講座の将来の展望
本講座は、将来的に録画したものを活用して、平日の夜、平日の昼などで同じ講座を提供するための、ビデオ収録も目的としています。
具体的なスケジュールはまだ決めていませんが、2024年から収録した録画ビデオを活用して、講座を提供いたします。平日の夜、または平日の昼の方が都合がよいのであれば、2024年からのコースを検討してみてください。具体的なスケジュールは、2023年の後半には公開する予定です。
主たる講師&ファシリテーター
☆ 横山克貴(臨床心理士&公認心理師)
☆ 白坂葉子(臨床心理士)
☆ 国重浩一(臨床心理士&ニュージーランド・カウンセラー協会員)
ポリシー
申し込んだモジュールの開始の二日前までであれば、全額返却します。ただし返金に際して、Peatixシステムの規定に準拠した手数料がかかる場合があります。
受講者の都合で参加できなかった場合、受講者の機材の不備によって受講できなかった場合は、受講者の責任となります。ただ、プレゼンテーションを録画しておく予定ですので、後日、各自が見ることで対応していただきます。なお、この録画を見ることだけで、受講したとみなすことはできません。ディスカッションやワークに参加する必要があります。
NPACC側の機材などの不備によって、講座を開催することができなかった場合には、その講座を補講する回を設けます。
修了証は、全モジュールを修了し、エッセイを提出してから発行いたします。
問合せ先
ナラティヴ実践協働研究センター
narrative@npacc.jp
https://npacc.jp/
https://www.facebook.com/npacc.jp/