「秘密いじめ対策隊」ワークショップ
2022-01-18遺伝カウンセリングとナラティヴ・セラピー
2022-02-17ついに待ちに待った教科書ができました!
既存の繰り返しにならない新鮮なカウンセリングの教科書を書くのは最近では難しくなりましたが、デヴィッド・パレ氏はそれを達成したのです。
新たにカウンセリングを学ぼうとする人たちにその実践を教えるのに、多くの教科書は1970年代以前につくられた基本的な考え方に基づいていて、それ以降の発展については単なるつけ足しになっていました。デヴィッド・パレ氏は、現代的な実践のうちベストなものを統合して教科書を書くことで、こうした問題を回避しています。(中略)
問題は、世界が変わったということなのです。人々の生活は、フロイトが論文を執筆したときとも、カール・ロジャースがカウンセリングの「中核三条件」をつくったときとも違ってきています。人々が経験する問題は当時とは違った形で構築されていますし、新たな意味や実践へと私たちを誘う哲学的な発展も起きています。文化の力が、カウンセリングの学びが行われるべき地平を移しているのです。
― ジョン・ウィンズレイド「巻頭言」からの抜粋
『協働するカウンセリングと心理療法─ 文化とナラティヴをめぐる臨床実践テキスト(The Practice of Collaborative Counseling and Psychotherapy: Developingskills in culturally mindful helping)』の日本語訳に立ち会えたことを大変光栄に思っています。私がこの本を書いたのは、文化の多様性を尊重し、希望に満ちたセラピーを支援できるような、幅広いアイデアや実践に強い思いを抱いていたからです。こうしたアイデアや実践が、日本語を話す何万人もの実践者の手に届くようになったと知って、とても嬉しく思っています。
― デヴィッド・パレ「日本語版によせて」からの抜粋
本書を簡単に要約すれば、カウンセリングや心理療法に必要とされる態度や技法を、カウンセラー/セラピストとクライエントの出会いから終結までの援助過程に即して記した入門テキストと言える。(中略)
文章が平易とは言っても、一読すると内容は非常に刺激的でかつ深みをもつものであることがわかる。というのも本書は、実践においてのみならずその認識論のレベルにおいても、主流のカウンセリングや心理療法の教科書とは異なる軸をもっているからである。著者は、クライエントとカウンセラー/セラピストの協働による意味の生成が問題解決につながるという立場を徹底しており、実践の過程で最も重視しているのは会話的なやりとりとそこで生じる人間関係である。
― 能智正博・綾城初穂「監訳者あとがき」からの抜粋
デヴィッド・パレ著「協働するカウンセリングと心理療法」の出版を記念して、デヴィッド・パレ自身だけでなく、監訳者である能智正博さん(東京大学)と綾城初穂さん(駒沢女子大学)、そして、日本のカウンセリングの発展に多大な貢献をしてきた平木典子さん(統合的心理療法研究所)を招いて、シンポジウムを開催します。
本書は、実践を目指すカウンセラー訓練において、最新というだけでなく、カウンセリングの細部までを網羅した最良の教科書となるものです。本シンポジウムにおいて、本書の意義と魅力についてお伝えできたらと考えています。
〈プログラム〉
1.8時半~ イントロダクション(綾城初穂さん)
2.9時~ デヴィッド・パレによるプレゼンテーション「書かれてから10年近く経っての現状であるとか、ナラティヴ・セラピーの実践との違いとか、今後の展開への期待など」
3.10時半~11時半頃 訳本を読んだ人たちからの感想とデヴィッド・パレのコメント
昼休憩
4.13時~ 本書の概要(綾城初穂さん)
5.13時半~ 「現代の日本文化のなかでのパレ教授のアプローチの意義」(能智正博さん)
6.14時~ 「本書を使ってのカウンセリングトレーニング」(横山克貴さん)
休憩
7.14時45分~4時 座談会(平木典子さん×能智正博さん×綾城初穂さん×横山克貴さん×国重浩一さん)
〈シンポジウムの詳細〉
日時:5月3日(火曜日・祝日) 午前8時半~午後4時
シンポジスト: デヴィッド・パレ(オタワ大学)、能智正博(東京大学)、綾城初穂(駒沢女子大学)、平木典子(統合的心理療法研究所)、横山克貴(東京大学、ナラティヴ実践協働研究センター)、国重浩一(ナラティヴ実践協働研究センター)
通訳: バーナード紫
(カナダ時間では、夜8時からのスタートとなりますので、デヴィッド・パレの参加は、午前中のみとなります)
参加費:8000円(一般)、2000円(学生)
定員:100名ほど
申込先: https://davidpare2022.peatix.com
〈デヴィッド・パレについて〉
オタワ大学教育学部教授。カウンセリングと心理療法を教えている。また、認定カウンセリングサイコロジストであり、オタワにある建設的協働実践センター「グリーフ協会」の会長も務めている。
セイジ出版のサイトでデヴィッド・パレを紹介しています。
主催:ナラティヴ実践協働研究センター