えぬぱっくの本棚(6冊目)『連帯のスーパービジョン』

えぬぱっくの本棚に参加して(5冊目)
2025-01-15
えぬぱっくの本棚(7冊目)『再著述実践を強化する』
2025-01-23
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えぬぱっくの本棚(6冊目)

論文『連帯のスーパービジョン』(A Supervision of Solidarity)
Reynolds, V. (2010). A Supervision of Solidarity. Canadian Journal of Counselling, 44, No.3, 246-257.



■「えぬぱっくの本棚」について

 カウンセリングやセラピーに取り組む中では様々な書籍や文献に出会うことになると思います。そうして魅力的な本に出会った時、その本の中身や、そこから着想を得て膨らませたアイデアを、誰かと話したくなった経験は誰にもあるのではないかと思います。NPACCでも、しばしばオフの時間にそうした会話が展開するのですが、この会話をもう少し広げてみることはできないだろうか、と思いました。そこで、その時々に出会い、魅力を感じた書籍や文献をシェアし、興味を持った人たちで会話を広げていくような機会を作ってみたいと考えています。

 取り扱う書籍や文献は、NPACCの興味関心上、ナラティヴ・セラピーに関係するものや、近い領域のものになると思いますが、それに限らず大切さや興味深さを感じたものがあれば積極的に取り組んでいきたいと思います。

 形としては、プレゼンターが、読んで惹かれた、あるいは発想を膨らませた本の内容をみんなで読んだり、プレゼンターが説明したり、考えたことをシェアしたりしつつ、小グループでのディスカッションなどを通して、参加している人たちで、それを基に会話できる時間を設けていく予定です。

 平日夜に2時間半ほどの時間で開催してみようと思っています。連続講座のようなものではありませんので、1回ごとにお申込みいただけます。なお、このイベントの開催は、本との出会い次第ですので不定期になります。

 参加したかったけど時間が合わなかったという人のために、その時のプレゼンテーションを録画して、後日視聴もできる形を作っておきたいと思います。

■ 今回扱う書籍・文献

Reynolds, V. (2010). A Supervision of Solidarity. Canadian Journal of Counselling, 44, No.3, 246-257.

著者のヴィッキー・レイノルズは、バンクーバーコミュニティカレッジやブリティッシュコロンビア大学、シアトル市立大学で講師を務めるとともに、バンクーバー・ナラティブ・セラピー・スクールのコンサルタント、スーパーバイザーでもあります。ナラティヴ・セラピーやコラボレィティヴ・セラピーに影響を受けた実践をしており、NPACCでしばしばオンラインで講師として招いている、オタワ大学でナラティヴ・セラピーの実践や教育をしているDavid Paré(「えぬぱっくの本棚 1冊目『勇気ある実践 Corageous Practice』の論文の著者)とも親交があります。

難民や拷問の被害、メンタルヘルスや薬物乱用、レイプ被害といった状況に苦しむ人々と最前線で働く支援者や、トランスジェンダーやクィアのコミュニティに対するコンサルティング、トレーニング、スーパーヴィジョン活動などを行う彼女は、「連帯 solidarity」というものを重要視しています。

この言葉は、ナラティヴ・セラピーでも時たま登場しますが、彼女は、社会正義のための共同的な倫理、周縁化されたクライアントとともに奮闘するワーカーの持続可能性などと結び付け、「連帯のスーパーヴィジョン」を提唱しています。えぬぱっくの本棚では、これまでも何度か、ナラティヴ・スーパービジョンに関わる論文を取り上げてきましたが、このVikkiの論文もまた、大変重要な側面を扱っていると感じましたので、今回取り上げたいと思います。

本論文のアブストラクトは次の通りです。

「この論文では、連帯の哲学と社会正義の積極的行動主義(social justice activism)に特徴づけられる治療的なスーパービジョンへのアプローチを描き出す。「連帯のスーパービジョン(Supervision of Solidarity)」と呼ぶこのアプローチは、社会的な不公平や極度の周縁化にさらされているクライアントと共に働くセラピストのスーパービジョンにおける、特定の課題に対処するものである。それは、「私たちは治療的なスーパーバイザ―として、社会の周縁部でこの困難な仕事に取り組むセラピストを、自分たちの共同的な倫理(collective ethics)に沿った方法でどのようにサポートできるのか? 私たち(セラピストおよびそのスーパーバイザー)はどのようにして、共同的に、時を超えた持続可能性と変化とを経験することができるのか?」を問いかける。本稿では、この形式のスーパービジョンの一つの例を示しながら、この取り組みの鍵となる側面に光を当てていく。 」

*なお、この論文は無料で公開されており、インターネットで検索すればすぐに元の英語論文にアクセスできます(例えば、下記のURL)。

file:///C:/Users/karak/Downloads/admin,+938+corrected.pdf

*本イベントに参加される際は、この論文を、プレゼンター(横山)が日本語に翻訳したものを共有します。

※参加方法および資料の入手方法について:本プログラムに申込完了後、Peatixにログインしていただき、「マイチケット」を選択してください。本イベントのチケットにある「イベントに参加」ボタンを押しますと、参加にあたって必要な情報(ZOOMアドレスと資料のダウンロード先)が表示されます。なお資料は、イベント開催の数日前ぐらいまでにアップする予定です。

日時:2025年2月17日(月)19:30~22:00
開催形式:オンライン(ZOOM)
今回のプレゼンター:横山克貴
ファシリテーター:国重浩一、白坂葉子
当日参加チケット、及び録画視聴券:¥3,850(¥3,500+税)
参加枠:45名ほど
*録画視聴可能期間は、3か月となります。

申込先:https://npaccnohondana202502.peatix.com

領収書について:Peatixでは、「インボイス制度に対応した適格請求書の発行」ができるようになりました。詳しくは次のリンクをご覧ください。https://help-organizer.peatix.com/ja-JP/support/solutions/articles/44002459755-%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9C%E3%82%A4%E3%82%B9%E5%88%B6%E5%BA%A6%E3%81%AB%E5%AF%BE%E5%BF%9C%E3%81%97%E3%81%9F%E9%81%A9%E6%A0%BC%E8%AB%8B%E6%B1%82%E6%9B%B8%E3%81%AE%E7%99%BA%E8%A1%8C%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6

主催:ナラティヴ実践協働研究センター