NPACCからあなたへの手紙

あなたへ

 

 まだ会ったことのないあなたのことを考えながら、今この手紙を書いています。

 このようなホームページを探し、そしてこの手紙を読んでいるということは、おそらくあなたは、何かそれだけの思いを抱え、そのことについて相談することを考えている人なのではないかと思います。

 

 もしかしたらあなたは、人生に入り込んできた何らかの問題と悪戦苦闘している最中なのかもしれません。

 ふいに人生に希望を持つことが難しくなり、身動きが取れなくなって、途方に暮れている状態にいるのかもしれません。

 何か周りには話せないできた思いに言葉を与えられないかと感じているのかもしれません。

 困っているとは言わないけれど、少し自分の人生を振り返りたくなったり、もっといい人生の可能性を考えてみたいという時期にいるのかもしれません。

 あるいはもっと別の何かかもしれませんし、ひょっとすると自分でもなぜこんな手紙を読むことになっているのか分からないという人がいてもおかしくありません。

 人生に起こりうることも、それにどんな思いを抱くかということも、それについて相談する機会を探したいという気持ちにも、一つとして同じものはないのですから。

 

 とはいえ、これらはすべて私の想像で、私はまだあなたのことを何も知りません。

 今、あなたの人生の中で何が起こっているのか。そのことは、あなたにとってどんな種類のもので、あなたのアイデンティティや人生、あなたの生活、誰かとの関係にどのような影響を及ぼしているのか。私はまだ何も知りません。

 私は、あなたのそうした話をしっかりと聞きたいと思っていますし、そのことについて一緒に考えたいと思っています。

 

 そして、まだそれが何かはわかりませんが、あなたについての、問題について以外の物語も聞いてみたいと思っています。

 

例えば、

 「あなたがこれまでどんな人生を歩んできたのか。」

 「そこにはどんな物語や、大切な誰かとのつながりがあったのか。」

 「あなたが大事にしてきた希望や価値観、人生の側面にはどんなものがあるのか。」

 「あなたはどんな人でありたいと願い、そこにはどんな歴史があったのか。」

 

 困難や問題、トラブルといったものは、時にこうした人生の大切な側面を覆い隠してしまうことがあります。しかし、こうした人生の領域は、誰しもが持っていて、たとえ時間がかかっても、必ず見つけ出せる可能性があると私たちは信じています。

 

 ただ、こういうからといって私は、あなたに頑張ることを強要したいわけでも、何か耳に心地いいポジティヴな考えを押し付けたいというわけではありません。

 もしかしたら、この手紙を読んでいる方の中には、もはや自分の人生にそんな希望のようなものは残されていないと感じている人もいるかもしれません。私は、そんな気持ちや思いも含め、あなたが感じ、言葉にしてくれるものすべてをしっかりと聞いて、尊重したいと思っています。

 そのうえで、それでも私は、あなたには大切にしている希望や価値観や人生における大切な瞬間があるのではないかと信じ、あなたと一緒にそれについて探索していきたいと思っています。

 なぜなら、そう信じて会話をしていくことで、時に思いがけず、人が自分にとっての大切なものを探し当てる瞬間を、何度も見てきたからです。

 

 そのようにして新しい場所にたどり着いた時、自分の人生の見え方や問題に感じていたことがらについて、新しい理解やアプローチ方法の発見につながることもあります。

 それは、問題を乗り越えたり、追い払ったりして、自分自身の人生を取り戻す可能性かもしれません。

 あるいは、問題と思っていたものがその存在感を失い、もはや問題が問題ではなくなるということもあります。

 問題としていたものがありながらも、もっと納得して人生を進んでいけるような、そんな道が見つかるかもしれません。

 それまで気づかないでいた好ましい考え方やアイディアをもって、今までより晴れやかな気持ちで生活を送れる可能性かもしれません。

 もしかしたら、これまで話せなかった自分の気持ちや考え、人生上の重要な出来事をしっかりと言葉にできたという感覚、それをちゃんと確かめられたという経験であるかもしれません。

 

 正直に言うと、会話を通して私とあなたがどこにたどり着くのかは、私にもわかりません。こうした会話は、まだ見たことのない目的地を目指して進む旅と似ています。それも、地図もガイドブックもない旅です。だからこそ、それは思いがけない発見や出会いに開かれた旅でもあります。

 私は、その旅が少しでも実り多いものになるように、さもなければ出会えなかった人生の側面を探索していけるように、そんな会話のためのトレーニングを日々積んでいます。

 

 ここまで読んできて、あなたは今どのように感じているでしょうか。

 何か、自分の持っているものを言葉にしたいと感じられた方もいるかもしれません。もしかしたら、この手紙を読みながら、すでにいくつかの気づきを得た人もいるかもしれません。あるいは、抽象的で、少しわかりにくい表現も多かったかもしれないとも思っています。

 もし連絡をいただけたら、まずはあなたの話をちゃんと聞くところから始めたいと思っています。そして、どんな風に会話をしていくのがいいかについても、ちゃんと相談しながら決めていきたいと思っています。

 

 私たちと、会話を通して旅に出てみませんか?

 もしも話をしてみたくなったり、あるいは質問してみたいことがあったら、遠慮なく連絡をください。

 あなたと一緒に、まだ見ぬ会話を旅していけることを楽しみにしています。

 

                                           NPACC カウンセラーより